高校教師いぬいのブログ

乾 東一郎(いぬい とういちろう) ブラック部活,教育時事,PTA強制加入反対,教員のうつ病,など

おそらく,一生懸命育てて,大学を出し,採用試験に何度も挑戦し,晴れて28歳で合格。
合格おめでとう。良かったね。本当に良かったね。と言われたはず。

しかし、この惨事である。



父親の無念は,はかりしれない。
父親の音声を聞く限り,本当に感情を抑えていると思う。息子が教えている生徒も亡くなったのだから。

社会人の息子がいる人なら,この気持ちは,わかると思う。
明らかに学校の上司(先輩教師,管理職)が,顧問を要請しなかったのなら・・・。


過去,学校業務が忙しくて,鬱になったり,過労死したりすることが何度も報じられてきた。

しかし,今回は直接部活で亡くなっている。しかも,指導者なのか,あいまいなままに。

本当に小手先だけの改革では済まない事態になってきていると思う。


顧問の配置問題。
そもそも学校に部活を設置する必要があるのか。
勤務時間との整合性。
部活制度が法的に曖昧な面。

このような中で,顧問になれよという若手教師へのパワハラ。
若いから,誰よりも早く,誰よりも前で・・・。というパワハラ。

誰かがこのパワハラに屈しなければ,まじめな若い人にどんどんしわ寄せがくる。

そして,今までのように過労や鬱で去っていく。

ただ今回の雪崩事故に関しては「直接部活が引き金」だからね。

本気で,地域サークルに移行などを考えないと,いけない。

もう,時間がない。





http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00354235.html


栃木・那須町で、登山講習会に参加していた高校生らが雪崩に巻き込まれ、8人が死亡した事故から、3日で1週間。生徒たちを引率していて犠牲になった、大田原高校の毛塚優甫さん(29)の告別式が営まれた。
栃木市の斎場で営まれている毛塚優甫さんの告別式には、始まる1時間ほど前から生徒の姿が見られ、恩師との最後の別れを惜しむ姿が見られた。
ラッセル訓練の先頭班にいて亡くなった毛塚さんは、2016年に教員採用試験に合格し、初めての赴任先となった大田原高校で、剣道部と山岳部の顧問を兼任していた。
2日夜の通夜では、毛塚さんの父親が、登山経験の浅い息子が、ラッセル訓練の引率者として配置されたことに対して、怒りをあらわにした。
毛塚さんの父親は、「正しい判断のできる人はいたのですか。責任者は、なぜ旅館にいたのですか。(息子は)生徒たちの命を守る側なんですけど、雪山経験ゼロの息子には、とてもできないことです。ただ決定されたことを一生懸命にやっていたのだろうと、わたしは思う」と話した。
登山講習会の実施要項には、毛塚さんの名前は、講師として記載がなかったこともわかっていて、主催者の安全管理体制に関しても問題が問われている。
 



部活問題に取り組んでいる人は,顧問をする・しないの選択権とか外部移行とか言っている。

多くの人たちから聞くには,最終的には部活動が教育課程と時間割に入れられたら,全員で行う。

そうでなければ,する,しないの選択権があってしかるべきだ。

今のままだったらパンクするので外部化が望ましい。

つまり,部顧問就任の自由が認められる風土づくりが大切ということが大きな着地点だと思う。
加えて,部活の廃部,休部,発足が自由になるべきだ。

そして,社会体育の枠内で教員も部活に参加できるのが理想ではないか,というのが今の考え方と思う。


行程1
 部顧問就任の自由度がある。
 全員部顧問性や生徒全員加入がなくなる

行程2
 部活数が激減して,地域サークルが盛んになる。

行程3
 地域サークルの枠内で,教員も活躍すればいい。




今のところ,行程1である。かなりの先生が消極的でありながら部顧問拒否を今回したのではないか。
副顧問になって土日は行かない。
顧問になっても土日は副顧問と交代でする。
完全に顧問をしない。
様々だったと思う。



ここで,若手がかなりの割合で,任意という形の強制で顧問に就任したと思う。
「生徒とともに成長しろ」
「俺が手助けしてやる」
「若いころは,ルールから覚えろ。俺もそうだった」
「2つ顧問を持つくらい当たり前」



この状況で,指導にミスがあり,部活動で事故が起こる。

今回の雪崩事故は,このようなことが積み重なって起きている。




やはり,人手不足なら廃部,休部の措置を出すのが筋だろう。

どうですか?


生徒の自主的な活動なのか,安全配慮義務が大きく教員側にあるのか。本当に,あいまい。




このような,死亡事故(熱中症,指導死,脳梗塞)や大怪我が,相次いでなお部活制度は存続される。

まったくもって責任があいまいだからだ。今回は,登山経験なしの先生が他の部活も兼任しながら,生徒とともに亡くなっている。

生徒側にはいつでもリタイア,プチリタイアの権利はある。熱中症になりそうなら休みなさいと顧問が言うこともできる。
部活がつらいなら退部してもいいよとも言える。
ただね,それは難しいんじゃないのかな。


これ以上の不幸が数年間にわたり,続くのか?


ずっと前から言っているが,トップダウンで部活制度の廃止をしないと,永久にこの事態が起きると思う。

今回の事故も,民間の登山経験豊富なインストラクターが開催したものならば,責任問題もはっきりしていたと思う。


これも何度も言っているが,やはり学校対抗,学校主催っていうのが癌と思う。



本当に,過渡期には事故が付きものですか?


組体操の人間ピラミッドのように,20年間も大怪我が続発しないとやめる機運が起きないのですか?

そこまで人権が軽いのか?

生徒も,24時間365日部活のことが頭から離れず生活をする。
先生も,大会運営,指導計画,指導,審判,保護者対応,宿泊手配,家庭内別居,離婚・・・。

もう制度欠陥ではないのですか。




それでも,部活は素晴らしいのですか。美しさの裏には何があってもいいのですか。

考えてよ。考えるのが,面倒くさいとか言わないでよ。今までそうだったから,とか言わないでよ。

俺たちが部顧問を拒否したら,若いやつが困るんだよ。下手したら死ぬんだよ。今回は死んだんだよ。
それも直接部活で。直接だよ。生徒引率という責任を持ったまま,生徒とともに亡くなっている。

首くくったり,鬱になって辞めていた若い先生もいるんですよ。

鬱病って本当に見ていてつらいですよ。大学を出るまで一生懸命,学校の先生になるためにがんばった人材を部活で潰すのですか。




俺が山岳部の素人顧問になって先導をしろと言われたら,
「本当に安全か?根拠は?ならば,先輩がしろ。俺は無理だ。絶対俺がしろと言うなら,訓練自体中止すべきだ。」と言える。初任者は絶対言えない。
そもそも,俺にそんなことを言うはずもない。


だから,同じ学校に勤めていたと考えたら,なんともやりきれない状況になる。


どこよりもブラックですよ。授業をするだけでも初任者は脂汗をかきながらするのに。どうやってこれ以上がんばれというのですか。


もう一回言う。俺が部顧問拒否したら,若いやつが本気で苦しむんだ。それも自分の目の前で。


俺は傍観できない。でも,このままでは部活制度は温存される。俺一人,部活をしなくても温存はされるが,明らかに誰かにしわ寄せがくる。
しわ寄せを防ぐために顧問をすれば,なおのこと部活問題は残る。


俺に,若いやつを見捨てろと言うのか?


今のままで,部顧問を拒否して様子を見ようなんて到底言えない。


本当に早く,働きやすい風土づくり,制度設計をするべき立場の人がしてほしい。

校長から初任者までみんな困っている。


顧問拒否した先生も,この雪崩事故で何も思わなかったはずはない。
そんな鬼畜のような心はないと思う。

本当にどうにかしろ。
 


 


「登山経験なし」犠牲教師の告別式

ホウドウキョク 4/3(月) 17:06配信

  •  

栃木・那須町の雪崩事故で、生徒たちを引率していて犠牲となった、大田原高校の毛塚優甫さん(29)の告別式が3日に営まれた。
栃木市の斎場で営まれている毛塚優甫さんの告別式には、始まる1時間ほど前から生徒たちが集まり始め、恩師との最後の別れを惜しむ姿が見られた。
ラッセル訓練の先頭班にいて亡くなった毛塚さんは、2016年に教員採用試験に合格し、初めての赴任先となった大田原高校で、剣道部と山岳部の顧問を兼任していた。
2日夜の通夜では、毛塚さんの父親が、登山経験がない息子が、ラッセル訓練の引率者として配置されたことに対して、怒りをあらわにした。
毛塚さんの父親は「正しい判断のできる人はいたのですか。責任者は、なぜ旅館にいたのですか。(息子は)生徒たちの命を守る側なんですけど、雪山経験ゼロの息子には、とてもできないことです。ただ決定されたことを一生懸命にやっていたのだろうと、わたしは思う」と話した。
登山講習会の実施要項には、毛塚さんの名前は、講師として記載がなかったこともわかっている。


 

大田原高校の件については、あまりにも大惨事なので、本当に記事にするのを避けていた。


だが、状況がわかるにつれ、自分の中で解禁した。

この雪崩事故についてだけ焦点化してもどうしようもない怒りがこみあげてくる。


まず、経験豊かな先生の中にいる、素人顧問。しかも採用されたばかりの初任者。
安全と言われたら従うしかない。

文句も言わず、従ったのだろう。素直な先生だ。今時29歳の先生といえば、超若手。体を張るのが仕事のような面もある。

返事は常に「はい」。これが新人教諭ってもんだ。

そして部活の掛け持ち。いわゆる、部活の数に対して、教諭、講師の数が、確保されていない。

顧問ができない人がたくさんいたと思われる。(子育て、介護など)

それならば、廃部、休部の選択肢もあろうが、校長は何とか、部活を維持しようとする。

だから、子育ても介護もない先生たちは格好の標的にある。または同調圧力が働く。


校長の気持ちもわかる。今まで頑張っている生徒が、突然の休部で困るからだ。

だからといって、顧問をテキトーにあてがうなど、もってのほかと今回の事件でわかったはずだ。



つづいて、経験則という、今回しょっちゅう出てくる言葉。

私も本当に思い当たる。本来30℃を過ぎたら、運動には適さないはずだ。この中で試合や練習をしょっちゅうする。35℃でもする。

私としては、立っているだけで、手の甲や、足のすねから、汗が出てきたら、危ないと思っている。その時は、目の下くらいから汗が出るときがある。

とにかく、立っているだけで、信じられないところから汗が大粒で出てくるときがある。これでも、先輩の先生たちは部活の試合や練習をやめようとしない。熱中症死亡事故の危険性を知っていてもだ。

日程を消化できないというのもある。生徒からの不満も出るというのもある。
たぶん、練習をやめないというのは「経験則」としか言いようがない。

きついなら、少し休みたいと生徒が言ってくるだろう。(経験則)
過去20年この競技にかかわっているが、大丈夫だった。(経験則)

それって、たまたま、熱中症にならなかっただけだよ。経験則でものを言うと危ないんだよ。

毎年、熱中症死亡事故があるじゃないか。教師がついていても起こっているじゃないか。経験則の判断がこれほど恐ろしいとわかってほしい。


無線機から10分程度離れていた。これについても私は思い当たることがある。

練習場所から、離れることは平気である。もちろん生徒たちを信用して、離れている。
「自分たちで練習内容を決め、自主的にできるから」と経験則で判断しているからである。

土日、職員室にいて、部活の練習をさせていることはしょっちゅうである。

「職員室にいるよ」と言っておきながら、別部屋で作業をしていたこともしょっちゅうある。
生徒がけがをしても、元気な生徒が、私の居そうなところを探してくる。

これも、今まで大丈夫だったから「経験則」で判断をしている。


ある種、体罰もこれに似ているのでは?
大阪 桜宮のバスケ。いつも、キャプテンを殴って部の規律を維持していた。生徒も納得していた。そして常勝だった。生徒は成長する。卒業後も慕ってくれる。
これが、大阪高体連バスケットボール専門部の技術委員長の小村基先生の経験則である。
ボコボコに殴るのが、経験則で「普通の指導」だったわけだ。この事件がなければ、定年まで同じことをしていただろう。

たとえば、この方針に、競技経験のない初任者が歯向かうことができようか?
できることといえば、その場から目をそらすことくらいであろう。



県高等学校体育連盟登山専門部の委員長で、大田原高校山岳部顧問の猪瀬修一先生も、経験則で安全と判断しているのである。
地元関係者、救助隊が口をそろえて「危険」と言っている場所である。
もちろん、今回の事件がなければ、過去も行った訓練なので今後もやったと思う。定年を迎えるまで「普通の指導」として。

いったい、高体連の専門部ってなんなんだと思ってしまう。

確かに、学校業務も一生懸命行い、生徒思いだった面もあるだろう。

どう考えても、部活制度を今後も続けていくにはリスクが高い。

先生の精神や生活までボロボロになる。巻き込まれる生徒は本当に気の毒。

完全に制度欠陥である。







本当に部活制度は曖昧すぎないか。

授業だったら、先生が生徒の場を離れることはない。

郊外で学習するときも、管理職、教育委員会に詳細な活動計画を出して実施する。

練習試合や大会の場合、顧問どうしの判断で、会場をおさえ、試合をする。

部活はそんなもんだ、と思っていて、生徒も保護者もそんなもんだと思っているから、いいのであって、何とか「運よく」運営できているのである。


これが、死亡事故になったら、どうするんだ。その場に管理職はいない。養護教諭もいない。
この二人がいるよりかは、ナースや医師がいたほうがいいと思うが、まったくそんなことはない。


救急車が試合会場に来ることはいっぱいある。いつも、軽い熱中症で、点滴を打って終わる。

保護者は「スポーツしてるから、これくらいありますよ」と言ってくれるが、こっちとしては心労は大変なものである。

じゃあ、安全教育のための「研修」をすればよいのか?と言っても、どうしようもない。
どう勤務時間との整合性をつけるのか? 授業の時間、教材の準備だけでも週40時間は、はるかに超える。

安全管理、顧問の就任方法、

すべて部活制度の問題点がくっきり出てきたと思う。




さて、これが、地域のクラブチームだったらどうであろう。

まったく別の状況になると思う。これを書くと、大変になるので、今日はこの辺で。







 




↑このページのトップヘ