長時間労働の元凶は,生徒指導と考える。

生徒指導の多くは,生徒間のトラブルである。

では,どの状況でトラブルが起こるかを,多くの先生に聞くと,部活内のトラブルがある。

競技に全く興味がない先生,いわゆる「顧問をさせられている先生」のもとでトラブルが起きやすい。

なお,カリスマ的な先生のもとでも部活内トラブルは起きる。

感覚値でしかないが,生徒指導の内訳としては
部活:そのほか=6:4 または5:5 
であろう。

ただし,部活に起因して学級内のトラブルに発展することも多いので,比率で出すのは難しい。





生徒一人が,ある生徒の制服を破る事件が起きたとする。

まず加害生徒を別室にいれ,周囲と情報交換ができないようにする。
理由は,「被害生徒の自作自演」というようなことを,脅しながら言ってまわるのを防ぐために,別室に入れる。

被害生徒からの聞き取りを行う。
破られた状況,いきさつを聞く。

続いて,関係者が出てきたら,呼んで話を聞く。

さらに周辺生徒から,状況を聞いて事実の整理をする。

続いて,加害者側の話を聞く。

素直にすべてしゃべればいいが,被害者やその周辺の生徒と相違あることを言う場合がある。
保身のための場合もある,事実の場合もある。

この場合,周辺人物の了解を取って,加害者に伝えながら,被害者と加害者の事実が合うようにしていく。

残念ながら,細かいところは合わないが,合わないところは合わないで,「この部分は言い分が合わなかった」ということで,記録を残す。

この一連の流れをおさえて,被害者の要求を聞く。そして救済,ケアに当たる。

加害者には謝罪の意思があるかを確認する。

被害者が謝罪を受け入れるかを確認する。顔も見たくないという場合は,謝罪の意思を教員を通して伝える。

そのあと保護者連絡をする。双方の保護者にする。

いろいろな保護者がいる。即座に話し方を考える。

ていねいに説明する。事情が複雑だった場合,特に加害者側の意見も尊重せねばならぬ時は,慎重に話す。
電話で済めばいいが,学校に来ていただくなり,家庭訪問する場合も多い。


保護者によっては1時間も2時間も話す場合がある。


指導は管理職,同僚との情報共有をしながら進める。記録も随時書く。

とにかく時間を食う。神経を使う。

時間をかけないと,さらなる生徒指導が起こる。学校が安心,安全な場でなくなる。

だから生徒指導は絶対に欠かせない



翌日から,被害生徒と加害生徒の双方を注意深く見る必要がある。


一般の人にはわかりにくいが,この生徒指導が頻発すると教師は疲弊する。
初任者はかなりきついと思う。


部活内の場合,さらに疲弊する。小さな問題行動を繰り返し起こす生徒を試合で起用するか?それだけでも本気で疲弊する。

部活動を外部に移行すれば,時間の余裕は生まれる。

部内トラブルは減る。

そうすれば,学級,学年レベルで一丸となって生徒指導に当たることができる。


どうしても部内トラブルの場合,顧問と周辺の教師のバランスが難しい。

まとめ

長時間労働の原因の一つは生徒指導である。

部活内トラブルも多い。

生徒指導の手順を多くの人が知れば,先生は本当に疲弊していることがわかるだろう。





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