残業してまで部活を命令できない




自発的に見ている




学習指導要領にも教育課程に含まれない




この時期だからこそ,改めてブログに。


(校長は)残業をしてまで「部活の顧問をしろ」と命ずることはできない







2017年5月13日放送 10:55 - 11:25 NHK総合

金曜イチから
これでいいのか?部活

出演者
松田利仁亜 高橋みなみ 小谷実可子 内田良 
(オープニング)
オープニング

オープニング、部活動で長時間労働を強いられる教師たちの本音に迫る。中学生の9割、高校生の7割が参加している部活動が教師を苦しめている。

金曜イチから
部活動の時間2倍!なぜいま!?

高橋は14歳からAKBにいたため帰宅部だったが、部活へのあこがれは強かったが顧問の気持ちを考えたことはなかったという。教員勤務実態調査では、中学校の休日の部活動は10年前の二倍、約6割の教員が過労死ラインを越えている。

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文部科学省
未経験の部活顧問 長時間労働の実態は?

今年3月に教師をやめた小阪さんは、経験のないバスケ部の顧問を押し付けられ、授業後16時から二時間部活の指導をして、翌日の準備を部活後に行い北区は深夜になることがほとんどだった。バスケのルールや練習方法を帰宅後は必死に覚え、土日は試合に駆り出される。素人顧問では子どもたちの思いに応えられない。しかし頑張れば頑張るほど時間外勤務が増え、部活だけで月80時間を計上。総合で時間外勤務は毎月150時間を超えることが多く、不慣れなことを無理にさせられているという面で見ても負担は非常に大きいという。教員1年目で野球部の副顧問を押し付けられ、経験もないのに必死に努力したという。しかし残された日記には疲れを示す文章が多く、土日も部活で休みが取れなかった。時間外労働の記録は150時間を超える月も多く、行き着く暇もない日々がいつ終わるのか、苦痛が記されている。食事も喉を通らなくなり、半年で自殺。父親は部活動をやらねばならなかった理由を理解できなかったという。部活と先生の業務の位置関係がわからないと語る。

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過労死ライン
教師と部活動 その関係とは

指導要領には、部活動は教育課程に含まれない生徒の自主的・自発的な活動だと示されている。国はどれだけ教師が部活動に関わるかは教師自らの判断だとしている。校長が職務命令としてお願いできるのは部活の顧問をして欲しいということだけ。先生になる人は責任感が強い人が多く、自発的に部活を見ているのだろうという。

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スポーツ庁
部活動で長時間労働 なぜおきる? / なぜいま!?過熱する部活動

スタジオでは小谷が「違う競技の指導をするなんて絶対無理。真面目に頑張る先生ほど追い込まれてしまうだろう」とコメント。親としては部活を頑張ってほしいという気持ちもあるし、長い間やっていると頑張っているように思えるが、教師の立場からすれば大変だろうとコメント。内田は部活があるということは部活に意義があるということ。しかし未経験で指導しなければならなかったり、休みが取れなかったりなど劣悪な環境に教員も我慢がならないようだ。教員が頑張れば生徒も成長し喜びを感じ、親も喜び、歯止めがかからなくなってしまうのだろうと話す。休養や上限規制をかけなければならないだろうとコメント。

最速でわかる!「部活」のイチから

文明開化で欧米から部活動が入ってきたが、転機は1964年の東京五輪。スポーツ熱が高まり、一流選手の養成の場が部活に求められた。アタックNo.1などもその時期に描かれた作品だ。全国大会や宿泊遠征の制限も緩和されつつあった。一部エリートのためのものではなく、広く生徒全員が楽しめるものにしようという動きもうまれた。1980年台には不良が部活をすることで更生するというマンガも流行った。中高生の運動部加入率は五輪以降増加傾向にある。中学生の9割が部活動に参加していて、先生の8割が部活の顧問を請け負っている。

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アタックNo.1スラムダンク東京オリンピック
子どもに向き合えない 背景に教師の「多忙」

部活動の問題を話す教師グループは、個人の時間が部活になっているから教材研究ができないという。夕方から部活が始まり会議もあり、生徒に目が向けられないという。本来やるべき学校に来たくても来れない生徒への支援や低学力の生徒への支援ができない現状もある。3年前、仙台の中学1年男子がいじめを苦に自殺している。調査報告書では教員が多忙で優先順位を付けて生徒指導問題に対応することはやむを得ないとされた。教師はクラスの他の問題を受けていて、非常に忙しくいじめの相談を受けてもすぐに動けなかったという。生徒の父親は多忙感を理由に順位をつけるような状況があってはならないと話す。

教師たちの「多忙」 子どもへの影響を防げ

子供への影響もあるのではとコメント。小谷は「子どもの前に立つときは自分に余裕が無いと小さな機微が分からない。忙しいとどうしてもその余裕は生まれない。部活によって培える力はあるが、教師の心を蝕んだ現状では本末転倒だ」とコメント。内田は「一人ひとりに向き合いたいのに、教師が疲弊した状況では難しい」と話す。教職は基本給の4%に調整額が入るも、残業代はない。その中で部活の顧問も請け負うと明らかに負担が大きすぎる。

部活動の負担軽減へ 最新の取り組み

教師の部活動負担軽減への取り組みを紹介。高円寺中学校のバスケットボール部では顧問教師は生徒の出欠を確認するだけで、実際のコーチングは区がスポーツクラブなどと契約し派遣された外部コーチが担当する。教員の負担を軽減するために始めたこの制度は、年間3000万円の予算を投入し区内17の中学校で導入されている。部活動の間に顧問教師は生徒の補習にあたるなど、この取り組みのおかげで生徒指導や採点などの本来の業務に集中できるようになった。

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杉並区立高円寺中学校杉並区(東京)

静岡県磐田市の教師の部活動負担軽減への取り組みを紹介。ここでは市の陸上競技場で3つの中学校の陸上部が合同練習しているのだ。顧問はおかず外部指導者を招くことで各学校の負担を減らしており、年間予算は1250万円。参加は無料で、大会には各学校の選手として出場できる。家が遠い生徒の送迎など、この仕組みの維持が今後の課題だ。

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磐田市(静岡)静岡市立豊田中学校
どうする部活動 今後のあり方は?

部活動顧問への負担軽減についてのスタジオトーク。長野県では朝の部活動練習を原則廃止し、文部科学省も部活に休養日を求める通知を出したていることを司会者が説明。出演者は「これは良い取り組みだが、文科相は昔から休養日を設けていた。それが守られていなかったため、この空気を冷静に考えていくべきだ」とコメント。視聴者から寄せられたアンケートでは「教員は時間外勤務をして当たり前という考えが地域にある。部活自体はいい体験だと思うがシステムは変えていかないといけない」などの声があり、出演者は「先生に指導業務を押し付けないのは良いこと。東京オリンピック・パラリンピックに関連し、オリンピック教室が展開されている。オリンピアンが学校に出向きスポーツの指導をしているが、全国にスポーツの指導をしたいと思っているオリンピアン候補はいっぱいいる。だからそういう人間が活躍できるネットワークを整えて、この活動を部活とうまくつなげて永久的に継続するレガシーになるよう動き出してほしいと思う」とコメントした。司会者が「スポーツ、芸術、文化、地域で経験のある人もたくさんいる。お手伝い頂いて良い」という視聴者の声を紹介すると別の司会者は「教師は教育、コーチは部活というように分業するのが一番効率が良いように感じた」とコメント。これを受け司会者も「オリンピックの先を見越して活動していくことが必要ですね」と語った。出演者は「部活は学校ならではで授業でなく部活は生徒たちが自ら主体的に選ぶ所があるため魅力がある。先生の負担を減らしながら学校で頑張っていってほしい」などとコメントした。

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文部科学省東京オリンピック東京パラリンピック長野県