訳もわからなかった初任の頃,

いかつい体育教師が

「あいつの面倒は俺がみるから,俺の副顧問にする」

あいつ=乾 のことです。



パワハラですね。


最初の練習試合は車で1時間くらいのところだった。穏やかな風景を見ながら車で走った。鮮明に覚えている。

どうして休みの日に生徒と会わねばならないのだろう・・・。

どうして何もしないのに会場にいるのだろう?


「いかつい体育教師さん」=「いかついさん」だけでも十分引率できそうなのに。


私はワゴン車を運転した。誰のワゴン車かわからない。

お前,マニュアル車運転できるか?といかついさんから聞かれ,yesと答えただけで,運転させられた。生徒をのせて。

車で走ること1時間。

会場到着。 

いかついさんは,他校の先生と仲良く話している。

このような中にいると,一人ぼっちになるので早く皆さんと仲良くなりたいと思う。これも一種の洗脳と思う。

最初の試合が進む。細かいルールがわからないので,全然面白くない。

1年生がやってきた。「応援グッズを忘れたから取りに行きたい。学校に戻りたい。」

これだけを言いに来た。

つまり,車を出せと言いに来たのだ。小声で聞こえるのは,試合を見たいから,先生が応援グッズをとってくればいいものの,置いている場所を知らないから,だれか一緒に行けよ,みたいな声が聞こえてきた。

いろんな感情がわいてきた。

なんでオレを使い走りにさせているんだ。
応援グッズを忘れても別に良いだろう。
先生に取りに行けだと?
チームの中で一番気の弱そうなやつを俺の前に出してきたぞ。
そもそも今日は休みの日で,あの先生もこの先生も,家族と遊びに行っているぞ?

ということで,断固断った。

嫌な空気が流れた。

技術指導もできない。
応援グッズも取りに行ってくれない。
保護者が出す弁当は食う。
どうせ暇だから,試合会場に来たんだろう。
あまり競技に興味ないみたい。


という評判が保護者と生徒から聞こえてきた。

ここから地獄が始まるのである。



どうせするならこの競技を好きになろう。
他校の監督から誘われた飲み会にも行こう。


そうやってアリ地獄に落ちていった。



かなりの年月が経った。

本当に,後ろを振り向くと嫌な思い出ばかり。




永久にこんなことが繰り返されるのか。

去った先生も多い。去った後,病気になられた先生もいる。

異常なんです。

 



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