総量規制案について。

部活動は地域に移行という案が「スポーツ庁ガイドライン」に出たわけなので,地域にどうやって移行していくべきか考える。

まず,今のように夕方5時ごろから7時ごろまで部活をして,土日休みなく活動する部活を引き受けてくれる人などいないだろう ということ。


・いますよ いますよ そんな人。どの試合会場でも必ず見かけるし・・・大丈夫。いますよ。

・そんな人いません。部活動指導員だって探すの大変なんだから。


この相反する意見の解決のために,部活の総量規制をしてから地域に移行という手順を踏むらしい。
大賛成。



ここからが私の意見だが,

まず,地域に移行するなら,地域の人と話していますか?ということである。




学校側が絶対に教員に部顧問をさせたくない。
素人顧問が生徒や保護者とトラブルを起こしたり,過重労働で倒れるのならば,地域に移行したほうが絶対に良い。
という強い意志があるのか確認を取りたい。
この強い意志がない限り前に進まない。




話し合いの例

学校
 部活を貴殿にお願いしたいのだが。

地域の人
 条件は?

学校
 無料 ボランティアか謝礼程度

地域の人
 指導する量は?

学校
 朝練習 夕方練習 土日
 ただし,平日1日オフ。土日は大会がない限りオフ。

地域の人
 それはきつい。朝練習は無理だ。
 それと平日は火曜と木曜と金曜にしたい。土日は両方しても良い。

学校
 うーん。保護者会とも話し合わないと。


こんな感じで地域,学校,保護者(生徒の意思も含む)が話し合わないと何も進まない。



現状では,教育委員会が旗を振り,校長が部活動指導員を意地で見つけるという,変な感じになっている。

部活動指導員はあくまで,「地域に部活を移すまでの調整期間」なので最終的にはすべての部活が地域に移行すべきなのである。学校は施設を貸し出す。


スポーツや文化活動の指導をしたい教員は地域のサークルの中で指導すればいいのである。


整理しよう
・学校は,部活を地域に断固として移行する気があるのか?
・学校は,地域や保護者と真剣に話しているのか?


という2点に尽きる。


さらに言えば,指導者がおらず,保護者も「無料託児所」と考えているのならば,廃部にする覚悟があるのかどうかだ。保護者も部活動指導者を探してくるくらいの勢いが欲しい。
学校が部活を設置して,部員を募集しているという前提なので保護者が動きにくいのも確かである。
加えて言えば,指導体制が脆弱なのに部員を募集するのも無責任である。




さて続いて,大会という問題がある。


滑稽な例を出すと水泳部である。
もちろんスイミングスクールに通っている生徒が学校の名前を借りて,学校対抗で試合をしている。
もうこんなことは無しにして,スイミングスクール対抗戦にするか,スイミングスクール主催の大会にするかすればいいだろう。


これに関しては学校は絶対に身動きが取れない。

学校対抗をやめれば,素人顧問の問題,部員不足の問題,部員過多の問題もすべて解決する。

この大会問題。つまり,学校対抗をなくし,どういった対抗戦するか?
無論,文化活動も同じで,どういった形で展示会や発表会をするのか? である。


多くのヒントは小学生の大会や展示会にあると思うけどなあ。

人気競技は全国大会まである。地方大会どまりのところもある。

なぜ,中高は学校対抗をなのか?

ここにメスを入れるのは,教員はおろか校長でも不可能。校長会が動いてもかなり無理だろう。

国規模のトップダウンの政策で学校対抗をなくさない限り無理。


つまり,私の中では,部活を小規模化するには賛成なのだが,学校対抗というルールが残る限り,部活問題は相当ややこしいままだ。




さて,働きやすい学校にするために部活をどうするか。
学校レベルですることと国レベルですることがある。課題は大きい。







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